2014/07/06

Cygwin64 Terminal

新しいPCをセットアップしようとして、今更ながら、Cygwinに64ビット版が出ていたことに気づいた。
OSは64bitのWin8.1なので、それでは、ということでインストール。
Cygwinをフルパッケージで入れると20GB以上になってしまうので、十分な空き容量の確認は必須。

インストールが完了するとデスクトップにCygwin64 Terminalというアイコンが出来る。
早速立ち上げてCygwin64 Terminalから、別途インストールしたWindows用のROOTを呼んでみると、うまくいかない。
ROOTは起動して、タイトルロゴは出るのだが、そこから進まない。

これはCygwin64 TerminalがMinttyを起動しているせい。
デスクトップのショートカットのコマンドを見ると、C:\cygwin64\bin\mintty.exe -i /Cygwin-Terminal.ico -となっている。
MinttyとCygwinターミナルの違いはよく理解できていないのだが、MinttyからROOTを呼ぶと32ビット版のCygwinでも同じようになる。

rootと打つとROOTが立ち上がるようにするには、32ビット版と同じ設定に変更すればいい。
32ビット版は\cygwin以下のCygwin.batを叩くようになっていて、Cygwin.batは64ビット版でも\cygwin64以下にある。
なので上記のショートカットを、C:\cygwin64\Cygwin.batと書き換えればいい。

これでbashのターミナルが呼べるようになって、ROOTも起動できるようになる。
このCygwin.batは単に、コマンドプロンプト上でbashを使えるようにするためのもので、仮にこの先、Cygwin.batが無くなっても、bash.exeがあればこれを叩くようなバッチを書けば、同じように出来る。

2014/07/03

Domane 4.3の素人インプレ

サイスポにDomane 4.3 (2014)が紹介されていた
入門者用のコンフォートバイク、という定型文をなぞった紹介になっている。
これに限らないが自転車についてのレビュー記事はメーカーへの配慮が見える。
本音であってもネガティヴなことを書くと、レビューを依頼されなくなってしまうのだろう。
それにレビュワーはみんな実業団選手クラスで、そういう人たちの実力を踏まえた視点しかない。
実際にはレースに出ようなんて人は一部で、その中でも実業団クラスの実力を持った人たちというとさらにごくわずかだから、素人が読んでもあまり意味がない気がする。
少なくとも自分にとってはあまり参考にならない。

初心者はこのバイクがどうしても欲しい、となってから店に行く、なんてことは無いんじゃないかと思う。
おまけに契約の関係で、自転車屋さんは全部のメーカーのフレームを扱ってるなんてことはないので、心に決めたバイクがあっても、買いに行ってみたら扱ってない、なんてことも起こる。
なので、なんとなく買いに行って、なんとなく値札を見て、相場や違いをざらっと理解した上で、一期一会で購入に至る、というのが最もありそう。
特に入門者レベルのバイクについてのレビューを見る人は、買った後から自分のバイクの評価を見に回っているのではないかと思う。
Domaneオーナーとなるそんな誰かがここを読みに来ないとも限らないし、自分の今の感想を書いておくと自分も後で面白く読めそうだ。

さてDomaneだが、これはカンチェラーラが石畳のクラシックを勝つためにトレックが開発したバイクだ。
IsoSpeedという機構が組み込まれていて、これでサドルへの振動をカットする。
そもそもそんな石畳なぞ走らない人にも、尻への負担が軽減するという意味で楽、ということになっている。

Domaneには上から順に6、5、4、2という4グレードが用意されていて、Domane 4.3は上から3番目のグレードのフレームということになる。
Domane 2はアルミ製、Domane 4より上はカーボン製で、6と5と4では使われているカーボンのグレードが異なる。
小数点以下の数字は、くっついているコンポーネントによって決まっていて、大きいと良いコンポが付いていることを意味する。
4.3は105(5700)ベースということになっているが、実質的にはTiagra(4600)と105の混在。
ちなみに小数点以下の絶対値には意味はなく、Domane 5.2にはアルテグラがくっついているので、同じグレードのフレームの中での区別になる。
Domaneは2014でモデルチェンジしていないので、2013バージョンと2014とはカラーだけ異なる。

Domaneシリーズは、2から6まで、キーとなる寸法は全く同じに取られている(フレームサイズ56のみで確認)。
トレックは最上位モデルのDomane 6に最適化して設計を行い、下のグレードは寸法は6と同じままにマテリアルだけ変更する、という設計手法なのだと思われる。
ジオメトリーからくる特徴は2でも6でも似たような感じになりそうだ。

僕のバイクはDomane 4.3のフレームサイズ56。
ちょっとした付属品を除くと完成車ノーマルそのままで、ペダルは買った時のフラットペダルをそのままに使っている。
購入10ヶ月で約1000km乗った。
フレーム単体についてどう評価していいかよくわからないので、完成車全体の印象を書いてみる。
僕にとってこのバイクが1台目で基準点もないので、ロードバイクに対する僕の期待値が出発点になっている。

エンジンである僕の問題はさておき、Domane 4.3は20km/h以下くらいの低速と45km/h以降で加速が鈍い。
アウタートップ(50x12T)をケイデンス90rpmで回しても47.4km/hだし、僕は下りでもない限りそんな重いギアを90rpmでなんて回しつづけられないので、エンジンから見てもギアから見ても45km/h以上は出づらい。
30km/h前後はストレスを感じないので、平地は乗っていて気持ちいい。
このレンジでは高速と低速の速度域と比べて、加減速に力を使わなくてよくて維持が楽。

これはホイールとタイヤの重量から来ているかもしれない。
タイヤはBontrager R1, 700x25cという完成車専用品。
単品売りはしていないタイヤだから、軽量化に気を使っていないと思われる上に、25Cなので重たい。
ホイールはトレックのクロスバイクなんかにも使われている、Alloy hubs w/Bontrager Approved alloy rims。
これも単なる完成車用のノーブランドホイール。
俗に言う鉄下駄ホイールというもので、試しにこれらを検索してみると、前後で2kgを超えているという測定結果が出てくる。
リムとタイヤが重く、加減速しづらいというわけだ。
あるいは僕が期待しすぎていた部分もある。
タイヤの耐久性については、1000km以上走ってトラブルフリーな点に満足している。
またカラーリングもフレームにマッチしているし、回転時にうるさくないのも気に入っている。

ホイールベースが1m超と長いせいか、あるいはタイヤのグリップがイマイチなせいか、高速時にコーナーで回頭性が悪い。
スピードに乗った下りのコーナーをスパッと曲がれない。
思い描いたラインから膨らんでしまう。
バイクをイン側にもっと倒せば曲がれるのかもしれないが、転びそうな予感がある。
なので下りでいまいちスピードに乗りきれず、もやもやする。
これも45km/h以上で加速が鈍ると思わせる原因の1つだと思う。
それから下りで50km/h以上出すと、バイクの安定性が悪くなるような気がした。

上り坂はコンパクトクランクと30Tの恩恵のお陰で、大概はなんとかなる。
家の近所には坂がなく、遠くの坂まで自走するので、スタート前から足が攣りそうになっていて、坂でダンシングできないのだが、ヤビツ峠とか湘南平くらいならシッティングでいける。
15%超えの坂は未経験なので分からない。

Domaneの真骨頂であるIsoSpeedだが、めちゃくちゃ快適、というわけではない。
路面の凹凸を拾った際、サドルの下から音がするので動いているのは分かるが、レーパンを持っていないので、30kmほどで結局尻は痛みだす。
ダンシングは最初やりづらいと感じていたが、ペダリングのタイミングに合わせてバイクを左右に振るとやりやすい。

全体満足度は10段階で8くらい。

<2015.02.10追記> Domane 4.3の実測重量はこちら