2014/10/02

Stravaと山岳カテゴリーとVAM

Stravaガーミンコネクトと同じく、ランニングや自転車ライドのログをシェアするSNS。
ログを元に、予め定められた区間のランキングを出したり(これはガーミンも始めている)、そこでの自己ベストをチェック出来たり、推定パワーを計算してくれたりする。
パワーメータを買おうとすると自転車と同じくらいのお値段がしてしまうが、これならタダだ。
ログは複数のサイコンに対応していて、ガーミンコネクトと同期することも出来る。
またスマホのGPSを使ってログを取るためのアプリも用意されている。

Stravaにログインしなくても区間トップ20傑を見ることは出来て、例えばヤビツ峠のコンビニスタートならこんな感じ
もちろん有名ドコロだけではなく、色々な場所に区間が設定されているし、ユーザーが追加することもできる。
追加した区間はプライベートにしておくこともできるし、公開することも出来て、一箇所に重複して設定されている例も散見される。

自己新やそれに次ぐ記録をマークした時、あるいは全体でトップ10に入る成績をマークした時は、そのアクティビティでの達成項目としてリストされる。
これはその記録の時点で決まり、後から更新したり、誰かに更新されたとしても、その時に取った達成項目はそのまま残る。
ただ初めて区間を通過する場合、それらは全て自己新になってしまうので、初めて区間は全体トップ10に入らない限り、達成項目としては扱われない。
このように、人と比べて速いか遅いか、過去の自分と比べて進歩したかどうかがはっきりわかるので、モチベーションが向上する。

Stravaに登録されている区間には、斜度によって山岳カテゴリーがつけられ、斜度3%以上から登り坂として扱われる。
カテゴリーは普通の自転車レースと同じ5段階で、4級、3級、2級、1級、超級(HC)。
グレードは距離(Meter)x斜度(%)の数値の大きさで自動的に決まっている。
距離と斜度の掛け算が8000を超えると4級、16000より上で3級、32000より上で2級、64000より上で1級、80000より上で超級になる。
ヤビツ峠は名古木からだと1級山岳、湘南平は1.6kmで斜度8.9%なので4級、湘南国際村も4級。
格付けルールはこちら

このStravaの区間ランキングで、山岳カテゴリーの区間においてVAMという数字が出てくる。
これは何かと言うと、ランス・アームストロングのドーピング問題でスポーツ界から追放された医師、ミケーレ・フェラーリが定義した指標で獲得標高(Meter)をかかった時間(Hour)で割った数値だ。
僕が調べた限りでは、日本語だとこのページが一番詳しい。
英語だと、以下のフェラーリの記事をそのまま読むのがいい。

The rider’s performance: how to measure it?
Uphill Gradient and VAM
More about VAM
VAM: Effects of Gradient & Altitude

リンク先にも書かれているが、VAMはイタリア語の頭文字で、英語ではAverage Ascent Speedが正しい。
シクロワイアードではこれに平均登坂速度という訳を当てている
ただ僕はこの訳はなんとなく、坂を登る速度の平均値のように感じるので、平均標高獲得速度と訳すほうがしっくりくる。
フェラーリによれば、標高が500m上昇するごとに、VAMは3%ほど落ちる。
さらに路面状況が悪いとVAMは6-10%減るし、カーブがあればそれも影響する。
またVAMの値から体重比のパワーを計算できる。
VAMを斜度のファクターx100で割り算すると、単位体重当たりのパワーになる。
斜度のファクターは、6%から11%までは2.6から0.1ずつ3.1まで上がっていくから、VAMを大体300くらいで割ることになる。

恥ずかしい話だが、僕のパワーは2.9(W/kg)ほど。
比べるのもおこがましいが、先のシクロワイアードのページによれば、ジロ・デ・イタリア 2014の第15ステージの優勝者、ファビオ・アルのパワーは5.85W/kg。
彼がヤビツ峠を登ったときのタイムは24分弱と推定される。