2006/12/07

プラズマと液晶

液晶がプラズマテレビを駆逐しつつあるようだ。
液晶の大型化が進み、それに伴うコストダウンで、大画面でも液晶がシェアを伸ばしている。

確かに液晶は技術の進歩もあって、弱点といわれてきた動きのある映像に強くなったり、高輝度を稼げるようになってきたりしている。
しかし分からない。
液晶に対してプラズマが劣る点は排熱が大きい点、小型化が困難な点、消費電力が大きい点の3つくらいだろう。
初期投資が同じだとすれば、ランニングコストは液晶に軍配が上がるだろうが、それ以外で負ける要素が見当たらない。
高精細化の問題はパネルが大きくなってから効いてくる話で、そのくらい大きくなれば、プラズマでも問題ないレベルまで高精細化可能だろう。

それよりも輝度、色の階調、残像、視野角のほうがはるかに大きな問題だろう。
液晶はバックライトの前に液晶分子を置いて、そこに電圧をかけて透過率を変えて、画像を作る仕組みだ。
自分で発光はしない。
発光はバックライトによっている。
今はかなりのコントラスト比を実現するみたいだが、それでも窓からの太陽光の映り込みなどには弱い。
さらに透過率をコントロールするのに、白や黒の輝度の端のほうでは難しくなる。
バックライトを明るくすればするほど、締まった黒の実現も困難になるだろう。
最近ではバックライトの明るさをコントロールしたりするみたいだが。
また液晶分子を動かしているので、そのタイムラグも絶対に消せない。
μ秒まで落とせると書かれているが、あれは中間色には当てはまらない。
バラエティではいいかもしれないが、スポーツやネイチャーを扱う番組では差が顕著になる。
それと視野角だ。
視野角も最近になって大分改善されているみたいだが、バックライトの光を均一な角度分布で広げるのが難しい。
どうしても横から見ると暗くなる。
それに液晶の並び方は正面から見るのと横からとでは見込む角度が違うので違って見える。

プラズマの発光方式は蛍光灯と同じである。
高圧のガスを封入させておき、高電圧をかけて紫外線を出させ、それをガスが拾って発光する。
自分で発光するので、液晶より時間応答性がいい。
液晶分子を物理的に動かす手間が省けるからだ。
白や黒の再現性や輝度、視野角についても、液晶のような構造的な問題がないため、液晶ほど問題にならない。
無論、程度の差の問題ではあるのだが。

作る映像をみるとプラズマが液晶に押される理由は何もない。
しかし世は液晶に流れているようだ。
コストパフォーマンスの問題からなのか。
それとも映像の質に対してのこだわりが薄いからか。
消費者の多くがこのような性質の違いを把握していないからか。

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